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たがね
「あ……熱ぅ……か、顔に……」
牧人
「はあぁ……ふぅー……」
満足げな声。
それを聞いてこの男が怒っているのでも、引いているのでもないと悟るから、私はようやく顔を上げられる。
牧人
「苦しそうな顔……すっごく可愛かった」
たがね
(どうしよう……こいつ……思ったよりずっとやばい……)
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さんざんもったいつけてから、舌先がクリトリスに伸びてきた。
牧人
「ふぅ……んん、自分のしたことで……相手が気持ちよくなってくれたら、嬉しくない?」
たがね
「はぁうっ……い、言いたいことは、わかるけど……実感したことは……んんんっ!」
だって相手のことを別に好きでもないのに。
あるとすれば、射精させたときの達成感だ。
それもほんの数分でかき消えてしまう。
牧人
「あとさ、まんこ舐めるのって興奮しない? ん……こんな匂いが強くてグロいもの、しゃぶってると思うとさ……」
たがね
「えっ?! 匂いって……!」
急に恥ずかしくなってきた。
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たがね
「う、ううぅうぅう……! せ、世間は、そう思わない……」
牧人
「世間ってなにさ」
たがね
「わ、……わ、私を、取り囲んでる……」
違う。
言いながら自分の言葉の間違いに気がついている。
世間じゃない。
他人じゃない。
他の誰でもなく、私自身が思えていない。
たがね
「で……出来損ないのくせに、人並みになにか、できたこともないくせに……権利だけは主張するのかみたいな……」
たがね
「そう思われてそうで……思ってて……自分で、それが……すごく、つらくて……嫌で……わ、私、私がなんなのか、わかんない……」
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たがね
「……私の存在は、迷惑?」
牧人
「いや、迷惑と大切って両立するんだよ」
たがね
「迷惑なの?」
牧人
「大切」
たがね
「迷惑は?」
牧人
「あー。大切だから許してよ」
たがね
「迷惑なんだ……」
牧人
「いや、迷惑だから大切なの。適度に迷惑でいてくれたほうが、大切にできるんだよ……」
つじつまが合わない。
私この人にレイプされたのに。
この人はそんな私のことを迷惑だとか言っている。
私はそれに傷ついている。
そしてこの人の大切であり続けたいと願っている。